モノラル放送を擬似ステレオに変換する「スグレ物?」。

2010年12月11日

 その頃、有線放送がステレオ放送になる前で、いい曲が流れて来るのですが「モノラル」で「なんでモノラル」なんだよっ!ワンワン!(吼えているつもり)なんて言っていましたが、当然テレビ放送もモノラル放送で、FMラジオだけがステレオ放送という時代でした。

 その当時、特選街というB級でしたが「通販専用」みたいな本が、毎月発行されていて、その中の商品紹介の記事の中に、「モノラルが擬似ステレオになる」という「あれ!ナニコレ」商品が紹介されていました。

 「擬似ステレオ」という文字は「少し気にはなった」のですが、早速取り寄せてみることにしました。金額は6,000円だったと思いますが、三角柱を横にした感じの黒い物体でした。(黒いのは特に怪しいのです)前に3つのつまみがあり、後ろに入力端子が1つと出力端子が2つ付いているだけの、いかにも手を抜いているようなシンプルな作りでした。


モノラル放送を擬似ステレオに変換する「スグレ物?」。
※擬似ステレオ変換機のイメージ

 早速有線放送のチューナーを繋ぎ、残り2つの端子をアンプに繋いで見ました。驚いたのは、右のスピーカーから高音が鳴り、左のスピーカーから低音が鳴るだけで、一瞬「豆鉄砲を食らった」ような感じになりましたね。

 説明書を良く見ると、低音用のボリュームと高音用のボリュームを上手く調整して、中央から「中音」が聞こえるように微調整してくださいと書いてあり、私は漫画みたいに「顔に斜線」が入るくらいガクゼンとしたのを「ハッキリ」と覚えています。

 でもモノラルよりは何故か「断然」良くて、ステレオではないけど「HiFi(今は死語ですね)」でした。とにかく音楽は何とか聴けましたが、テレビの場合は不思議な感じで「最低」でした。

 ある知人がまだ中学生だったころ、「3色万年筆」というのを通信販売で買ったそうです。知人は素直に解釈して、赤・青・黒のインクが入っていて調整することによって書き分けられる思って買ったそうですが、送られて来た万年筆を見て「腰が砕けそう」になったそうです。
 送られてきた万年筆は、3色書き分けられるのではなく、万年筆自体が「3色に塗られていた」だけだったそうです。知人はそれ以来、「通販なんて信用しちゃダメだよ」と今でも念仏のように言っています。

 今ではこのような「インチキっぽい物」に手を出すことはありませんが、その当時は「確定した物」があまりなく、いや今でもそうですが、何故か「甘い匂い」のする物(ブツ)に、少なからず「それなりの夢と満足感」を期待していた「時代」だったかも知れませんね。

つづく




Posted by 熱中人 at 11:01
 

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モノラル放送を擬似ステレオに変換する「スグレ物?」。