ノイズリダクションシステムAD-2MkⅡとAD-3

2010年12月09日

 当時音楽が好きな人は「FMチェック」と言って、FM放送をカセットテープに録音するのが流行っていた時代でありました。お気に入りのレコードを録音しては、カーステレオ(ん~懐かしい)で恋人とのドライブ中に聞くというのが定番でした。
 音楽番組の特集で「2時間とか3時間」ある場合は、「VHSデッキ」を使って録音することもありました。デッキの中に「ノイズリダクションシステム」が作動するのかわかりませんが、音が少し「こもった」ような感じでしたね。

 FM放送はクリアな音に聞こえますが、無音の時にボリュームを上げると「チリチリ」とノイズが入っています。そのようなノイズは「当たり前」と思って録音してはWカセット(ん~これも懐かしい)で編集しては、タイトルをつけて保存するという今ではちょっと、メンドクサイことをしていました。
 中にはその編集したテープを借りて、もう一回ダビングする友人もいました。しかし音源がアナログなので、コピーすればするほど音源が劣化するのですが、それでも良かったのですねこの時代は。

 その頃バブルだったのでしょうか、リサイクルショップが出来たりして、まだ使えそうな電気製品が多く並べてあり、その中でも音響コーナーには沢山の商品が山積みになっていて、欲しい物が沢山ありました。

ノイズリダクションシステムAD-2MkⅡとAD-3
※中古屋さんで買った物と同じ機種AD-2Mk

 その中の1つに、普段使わないような機器があり、メーカーは東芝製の「オーレックス」品名は、adresノイズリダクションシステムAD-2Mk ⅡとAD-3という訳の解らない物でした。
 汚れていましたが簡単な説明書を読むと、レコードやテープの「ノイズを取る」というもので、とにかく欲しくなり安い方の「AD- 3」を確か3,000円で買って帰りました。
 家に帰り早速、テストするこになりました。接続方法はFMチューナーからAD-3へと、AD-3からカセットデッキと繋ぎ、FMラジオを録音してみました。

 しかし厄介なことに、録音と再生が同時に出来ないため、再生するにはカセットデッキからAD-3そしてアンプに繋がなくては聞くことが出来なく、ブツブツいいながらコードを差し替えて聞いてみると、アンプのボリュームを1時の方向に回してもノイズの音がしないのです。これにはビックリしました、「スゴイ!スゴイな~」と小躍りしたものです。

 それから1時間ほどテストを繰り返して気がついたことは、リサイクルショップに2台セットで置いてあった理由が解ったのです。つまり前の持ち主は、録音用と再生用として2台使っていたんだというのがわかると、すぐお店に電話してもう1つを「予約済み」にしてもらい、次の日に買いにいきました。

ノイズリダクションシステムAD-2MkⅡとAD-3
※説明書の内容を私なりに理解し図にしてみました。

 説明書をよく見ると、音源が圧縮されてカセットに録音され、その圧縮の時にノイズも圧縮されるのです。そして再生する時にノイズは圧縮されたままで、音源を元に戻すのではないかと思います。それか、元に戻す時にノイズが無くなるのかわかりませんが、とにかく「クリアな音源」になるという「スグレモノ」でした。

 当時、他に「dbx」のノイズリダクションシステムというのもありました。それに「ドルビーBタイプ」に「ドルビーCタイプ」とありまして、「Cタイプ」の方が高音がハッキリ出るようでしたが、とにかく「AD-2Mk ⅡとAD-3」を使って当時は録音しまくっていました。欠点としては、カーステレオが「adresノイズリダクションシステム」に対応していなかったため「自宅でしか聞けません」でした。

 それから少しすると、「CDプレーヤー」が50,000円台になり「ノイズレス」の音楽が聞けるようになりました。それでも車用のCDプレーヤーは金額が高く、周りでもCDをコピーしてはカーステレオで聞くというのが一般的でした。
 その後CDの音源にはノイズが無いため、テープに録音しても気にならないようになり、いつに間にか「ノイズリダクションシステム」も必要なくなりました。

つづく


Posted by 熱中人 at 13:32
 

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